1990年代初頭、大学在学中よりクラブ歌手として活動。パフォーマンスも始める。1994年、指輪ホテル設立後、廃工場やテニスコート、ストリップ劇場、レストランなどオルタナティブなスペースでの空間演出と、出演者の職種・国籍・年齢問わず、常に女性のみで構成されるドラマツルギーは、ビジュアルの斬新さのみならず、あたらしい「社会観」や「世界観」のあり方を提示してきた。それら40作品余に通底したテーマは、「性や暴力への衝動」で、「食や生や死への本能」の表出である。女性の視点から、女性の身体を通して女性の心象風景を描くことで、ステレオタイプな女性像や規範的かつ一面的なセクシュアリティに疑問を投げかけている。

2001年にはアジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)のフェローシップを受け、ニューヨークに演劇留学。ニューヨークと東京とをインターネット中継で結ぶ”Long Distance Love”を発表。その準備中に、同時多発テロが発生。混迷極めるニューヨークで公演を実施した(東京・ブルックリン.2001)。帰国後、オン・ケンセンとTheater worksとのコラボレーション"Dreamtime in Morishita Studio”発表、セゾン文化財団主催のもと上演(東京.2001)。「戦争」をテーマにしたその作品は「テロ後」の社会では賛否を引き起こした。その後、アジア女性演劇フェスティバルに招聘され”It's up to you”を発表 (マニラ.2003)。代表作は”フタナリアゲハ””Please Send Junk Food”“祈り、はたらけ”“情熱”など。最新作”CANDIES-girlish hardcore”では、日本での3回のワークインプログレスを経て、2006年イギリス・ウェールズのCAHPTERにて世界初演。ロンドンのICA、ポーランドのZAKを巡る初のヨーロッパツアーを、同年9月には同作品での初の北米ツアー(ポートランド・ニューヨーク)を実施。ポートランドでは全公演が売り切れとなり、Contemporary Crafts GallertのNamita Gupta Wiggersには「2006年のベストパフォーマンス」と評価された。

2007年には、2月に東京国際芸術祭の一環公演として"DOE-雌鹿"(原作・Trista Boldwin)を演出。初の海外戯曲演出作品となった(翻訳・小澤英実)。3月に初の大阪公演にて"CANDIES-girlish hardcore"を日本初演、東京での凱旋公演"YIN&YANG(Please Send Junk Food&CANDIES-girlish hardcore)"を開催。10月には最新作EXCHANGEを東京・京都・札幌で発表。

2008年1月-2月、作品"EXCHANGE"から派生したスピンアウトピース”グッド・ラック”(川口隆夫ディレクション作品)・"外出"(尹明希ディレクション作品)を川崎市アートセンターにて発表。3月"Please Send Junk Food with Workshop solution"をブラジルで発表。3月-4月"EXCHANGE"ヨーロッパツアーで、ポーランド・イギリス・フランスにて公演。

羊屋の作品は、「女優のカラダに載せて紡がれる羊屋白玉の物語には、これから来るべき新世界を恐れることなく生きていく少女たちが棲んでいる」、「劇場ではない場を廃墟に変えつつ暴力を肯定するアクチュアリティを生き続ける」、「アンチリアリズムに徹した観念的な虚構の世界を舞台に現出されるという点で羊屋は近代以降の日本の劇作家としてはまれな資質をもっている」、「羊屋白玉の芸術的欲求とは、『死の瞬間』から『演劇』をつくりだす試みであり、自分、あるいは女優達の他者としての『身体』を、内部から外部(舞台上)に棄却するということを作品づくりの基盤としていた」、「寓話的な物語を、ちゃちなSFじゃなく上等のファンタジーに仕上げる」などと評される。2006年6月にはニューズウィーク日本版の特集「世界が認めた日本人女性100人」のひとりに選ばれ、表紙にも登場した。2007年11月より北海道新聞にてエッセイ「羊屋白玉の毎日が遠足」を連載した。連載は今後指輪ホテル・メイルマガジンにて継続される。

羊屋白玉(ひつじやしろたま)
- 指輪ホテル芸術監督・
演出家・劇作家・俳優

日本劇作家協会会員・日本演出者協会理事

http://www.shirotama.com


写真:野村佐紀子/スタイリング:小西早苗

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